ばら遊び 2023.12月

2023.12.29 根頭癌腫病とアグロバクテリウム
年の瀬を迎え何かと気ぜわしい毎日かと思います。帰省する子どもたちのためにそろえた秋田らしいうまいもので冷蔵庫はパンパンです。なかでも、松前漬け風に醤油で漬け込んだイブリガッコは妻の自慢の一品です。夕食で試食しましたら何やらいつもと違う。酒がまだなじんでいないし、妙にガッコが薄い。薄いのは歯の悪くなった私のためにしてくれたそう。酒が抜けていないのは、イブリ大根そのものが手に入らず、漬け込みが遅れたとのこと。夏のひどい暑さがこんなところにも影響していました。 一年間、つたないブログを読んでくださりありがとうございました。HPマスター様には心から感謝申し上げます。 皆様、よいお年をお迎えください。 さて、本題の根頭癌腫にまいります。 我家では今年、鉢植え4株、地植え1株にコブを発見しました。 地際から上に出ていたから見つけましたが、見えないところ(土中)でコブをつけている地植え株はもっとあるのではないかと想像します。急に元気がなくなる株などが怪しいと思うのですが、土替えではその痕跡がないこともあります。 コブを見つけた場合の一般的な対応としては、コブを切り取り、患部に殺菌剤などを塗ってようすをみるということになります。丁寧な方は、土壌を殺菌するとか、カニ殻を入れて放線菌を増やして防御するという話も伺います。また、ガスバーナーで患部を焼くという情報もありました。過激で、びっくりしますね。 ただ、一度感染された株は以前の樹勢がとりもどせない、なぜか知りませんが成長抑制のスイッチが入ってしまいますから(経験的にそう感じます)、2,3年ようすをみて回復できないようであれば、処分するのがよいと思っています。爺には鷹揚にかまえる時間はないのですから。。。(泣笑)




高校生物の教科書に癌腫の原因菌であるアグロバクテリウムが、「植物への遺伝子導入」というテーマで、わずか1ページですが登場します。 もともとは植物にコブを作って弱らせる病原菌(悪玉菌)としてその正体が調べられたわけですが、調べていくうちに、本来もっていない遺伝子を植物に導入させる技術分野の方が脚光を浴びていきました。こうして除草剤に耐性のあるダイズや、日持ちのよいトマトなど、この世に存在していなかったトランスジェニック植物を作ることにベクター(遺伝子の運び屋)として貢献したわけで、善玉菌としての立場で教科書にちゃっかり載っているわけです。 サクランボやリンゴやバラの根に寄生して、木を弱らせるという寄生細菌(悪玉菌)としての対応についてはどうなっちゃっているのでしょうかね~。防除法の研究は進んでいるとは思いますが、決定的な方法はいまだに確立されていません。 バラを購入する私たちは、自分の庭土で感染したかもしれないという弱みがあるにしても、販売する苗そのものがすでに感染していた可能性も否定できないまま、高い値段を支払って廃棄処分のイタチごっこを繰り返しています。 今年の配布苗は6月に鉢植えにしました。しかし、8月には写真のようなコブができています。しかも、土とは接触しない接ぎ口からコブは出ています。 追いかけるように昨年のばら展で購入したバラからも大きなコブが出ました。栽培者としてはもう、うんざりで、(がっかり)の2乗です。 こういう現状に関して怒りの声をあげているベテランもいます。私は生産者も販売業者も悪意があるとは思いません。防除方法がない現状ではだれも責められません。健康な苗に取り換えてくれる業者もあると聞きますが、それも遠慮したいですね。買ってきたバナナが腐っていたとか、ミカンが腐っていたとかとはわけが違います。難しい問題ですね。会員の皆さんはどう思われますか。 「アグロバクテリウム ツメファシエンス」と呼ばれていたこの細菌は、系統解析の研究から「リゾビウム ラジオバクタ―」と最近は呼ばれているようです。皆さんも興味のある方は調べてみてください。 バラCaféでも学習しましたが、バラの傷口から感染していきます。目で見えるものではありませんから私たちは無防備ではありますが、コブを触った手やナイフ、ハサミは消毒すべきだろうと思います。死滅温度は51℃だそうですから、私はライターで焙っています。刃物に火は良くないというアドバイスをいただきましたが,,, 一応、癌腫を扱う場合の刃物は専用の別物を使用しています。 最後に、この細菌の感染するようすについて説明しておきたいと思います。 感染する際には、宿主(バラ)の傷口の細胞の細胞壁にくっつくだけで、本体が侵入するわけではありません。それを、コブには細菌がすでにいなくなっていると誤解されているのかもしれません。 コブは古くなると黒くなり、もろくなって崩れますが、芯に白い部分が少しでもあれば細菌は多数付着していると考えてください。侵入するのはバラに悪さをするT-DNAだけですから、細菌本体はコブ細胞内には存在しません。悪さをする物質(T-DNA)だけが感染しているということです。繰り返しになりますが、そのことが、コブには細菌が存在しないと誤解してしまうようですからご注意ください。 T-DNAを感染させる目的ですが、植物ホルモン(オーキシンとサイトカイニン)を大量に合成させて細胞分裂を促し、腫瘍を作らせて自分のエサとなる「オパイン」を作らせるということです。自分専用の食糧生産工場に作り変えてしまうということですね。これによりバラは生理バランスを失い大きな打撃を受けることになります。この打撃は、コブが再びできてもできなくても回復しないんですよね。経験的にそう感じています。免疫力を上げるために成長を自ら抑えているという記述も何かで読みました。 癌腫に罹ったバラをいつでも購入できるのであれば、早めの交換をお勧めします。問題は手に入るかどうかわからない場合ですよね。(以前にも申しましたが、接ぎ木、挿し木はお勧めしません。T-DNAが全身に回っているとお考え下さい)どなたかに分けてもらうしかないかな? それとも、いつか完治しないかな~と期待して気長に付き合っていきますか? 悩むところです。
2023.12.23 友 逝く
小・中学生のころからの幼馴染(無二の親友)が亡くなりました。 家族から訃報を受け、昨夕、妻と弔問に行ってきました。 友は1か月前から食欲がなくなっていたらしく、昨日も食欲がないと言って寝室で休んでいたようです。 その夜の10時に奥さんが食事を運んで行ったのですが本人は食べようとせず、心配する奥さんへ、「おまえもしつこいなー」と言い放ったそうです。 それが最後の言葉でしたとのこと。ああ、悲しい、涙。。。 最後の言葉が彼らしく、変わらないなーと思いました。 深夜2時にようすをみたときにはテレビがついていたのでテレビを消し、朝6時にみたときには冷たくなっていたそうです。 故人を前に不謹慎なことを言うようですが、彼と私は性格も価値観も非常に似ているところがあります。 似た者同士だから、これまで長く友人関係を続けてこられたと思います。 短所もそっくりです。お山の大将で、悪ガキで、他者への配慮ができない言動が周囲を悲しませることがよくあります。 冷たく横たわる彼の死顔はとてもきれいで、爺の顔ではなく若者の顔であることに驚きました。 彼の部屋に飾っている若いときの油絵の自画像とそっくりでした。 運動能力に優れ、筋肉質の美男子で、女子にもてたころの、うらやましいほどのあの顔でした。 安らかに眠れ。 合掌 彼の顔が目に焼きついて、結局今朝の3時半まで寝れませんでした。 私はまだまだやりたいことが山ほどあります。だから、待ってろよ、すぐ俺も行くから、などとは言いません。 しかし寿命は誰にでも予告なくやってきます。1分、1秒を無駄にはできない、時間の浪費はできないと思います。 頭と腰を低くし、周囲の人の気持ちに添う態度、悪態をつかない、つまり、謙虚で優しい老人に近づきたいと思います。 思うことは簡単ですが、行動できないんですよねー。 まず、妻の忠告には真摯に耳を傾けます。そこからスタートします。



2023.12.21 今日から冬休みでーす!
12/18(月) 今日からまた仕事が始まる町内の方は朝の渋滞に備えるため、出勤時刻が7時から7時半に集中します。私もかつてはそうでしたが、今は1時間の時差がありますから気分はかなり楽です。しかもあと2日で冬休みに入ります。 一昨日の気温高めの雨降りから昨日は一転しての風雪。暴風・波浪警報が出る真冬の天気になりました。これを雨返しと言いますよね。 こんな日は静かに年賀状でも作ろうかと思ってPCに向かいましたが、メールなどを確認しているうちにユーチューブを見てしまいました。ま、いっか。今週中に書けたら上出来。先送り、先送り。 PCを今年買い換えましたが(6年前仕様の中古PCです)、古いPCに住所録が入ったまま処分してしまいましたので、去年の年賀状を見て住所録を作るところからやらなければなりません。それが先送りに拍車をかけています。 皆さんは年賀状はどうしておられますか? 現役のころに比べたら枚数がずいぶん減りましたが、仕事からすっかり足を洗っても、旧友とは年賀状でつながっていたい気持ちもあります。






12/21(木) 今日は冬至ですね。(※冬至は12/22でした。訂正してお詫びします🙇) 日の出が6時56分、日の入りが16時18分です。これから1か月は日の出がもっと遅くなりますが、日の入りがさらに遅くなりますから、日長としては一番短くなるようです。冬至が過ぎると何となくですが気分が楽になります。外で遊べる時間が長くなっていきますからうれしいです。 今年のアルバイトが昨日で終了しましたー。今日から25日間もの長期休みになります。ネクタイも不要で一日中ゴムの緩んだトレパンで過ごせます。場合によっては洗顔も不要ですが、それはないですね(笑)。もちろんこの間は無給になりますからつらいところです。 現役の方はもう一週間仕事が続きますね。おつかれさまです! さて、はなはだ僭越ではありますが、現役の方にバラ栽培で申し上げたいことがあります。 簡単なことをわざわざ難しくしないで、手抜き栽培をしてほしいということです。私のような現役を終えた年寄りは、えてして理想論に走ります。その通りなどやる必要はありません!! 仕事との板挟みになって栽培がつらくなるだけです。私はそのことを経験済みです。栽培のポイントを押さえたあとは楽をしてよい、放任してよい、アバウトでよいと思っています。 ただ、一つ。剪定後からバラ展を終えるまでの2~2.5か月の間、薬剤散布だけはさぼってはいけません。コンテストに強いバラをそろえたら、やることはそれだけですよ! 病気のついていない美しい葉と茎があってこそ花が引き立ちます。 今回、日本ばら会の頒布苗の注文が十数本あったことは今後のコンテストに期待をもたせます。毎年、ホンモノをそろえていき、コンテストに挑戦してください。どうぞ、年寄りにカップと副賞を独占させることのないようにお願いしますネ。皆さんの時代が間違いなくやってきます!!! それでは、寒いけど日差しが出て穏やかな今朝の庭のようすをご覧ください。 5号鉢以上であれば何もしないでそのまま畑に並べて越冬します。ビニルポットの実生苗は雪が消えてから枯らしたことがありますので、5号鉢に植え替えています。






2023.12.07 いざ 長岡へ
昨日は暖かくてよい天気でしたね。 午前中のアルバイトを終え大急ぎで昼食をとり、14時から3時間ほど、長岡へ出発する2年生苗(夏を経験した新苗を2年生苗とよびます)の旅立ちの準備をしました。 日の入りは16時15分。日が落ちると気温が急に下がりますが、街灯を頼りに一気に進めました。4品種12本の根鉢はびっしりと張った細根が、土を飲み込んだかのようにガチガチに固まっています。新鮮で元気な若者の根っこです。 徐々に握力が鈍り作業効率が落ちていきましたが、赤玉土の1粒も見逃すまいと根をよく洗い、水に浸けたままにして朝を迎えました。 長岡のメンバーはHT1品種、F2品種、S(シュラブ)1品種です。4品種を超えてはいけませんので、最大数の出品になります。下手な鉄砲も数打ちゃ当たる?ではありません。可能性を信じ、現状でのベストメンバーを長岡に送ります。 午前10時を過ぎて猛烈な雨が襲ってきましたが、宅急便の営業所まで行って荷物を出してきました。皆さんもスマホアプリを使って、営業所で伝票をプリントして送っておられますか? 私も昨年からそれができるようになって、発送がとても便利になりました。履歴が残りますから簡単に更新できます。おまけに少し安上がりだそうです。 この子たちとはここでお別れです。恵まれた環境の長岡の花壇で、のびのびとした大きな花を見せてほしい! カーポートから出たことのない子どもたち、負けるな!! 春の花期にはまた訪問するよ。それまで元気で。。。



12月2日のバラCaféでとても参考になる話をうかがいました。 鉢の冬越しに、プチプチで鉢を保護するという話です。この方法は芽接ぎ苗の冬越しに使えそうに思いました。 接いだ枝の表皮組織は活着しているのに、芽の部分だけが枯死することを昨年経験しました。特に、雪が消えてからの寒風によって相当数の芽が枯れたことを反省し、シート(DCMでフォームパックという商品名で販売されてました)で根元を覆い、寒風を防ぎたいと思います。今年はこれで試してみます。




雨の合間をみて花の写真を撮りましたが、もう限界ですね。



2023.12.3 バラの実を収穫しました
12月のアイキャッチ画像はHTバラの果実です。6月の天候が不順で、人工授粉がうまくできませんでした。結局、収穫は全部で7個です。少なかったですね。 昨日は10時から遊学舎で12月のバラCaféがあり、ちょうど天気もよかったのでカメラをぶら下げて歩いて出かけることにしました。 冬囲いの終わったバラ畑で果実4個の写真を撮ってから遊学舎に向かいます。 ここ3週間ぐらい、クマのせいで散歩を自粛していましたので、久々の散歩気分が心地よいです。



山を下りると田んぼ道になります。先月から気になっていたのですが、田んぼのひこばえが稲穂を垂れているんですよね。先月はモミに触ると柔らかい感触だったのです。が、触ってみると固いんですよ! お米になっているんですね! 秋田で二期作、できるんでしょうか? それだけ暑かったんですよねーー



ニュースでは果物の収穫量減少をはじめ、徐々にわかってきた高温障害による問題を伝えてくれています。日陰に移動することができない植物にとっては大変なことだったのでしょう。 親善ばら展では、会員の皆さんが、咲いているバラをかき集めてくださったのですよね。今振り返って考えても本当にそう思います。こんな年が今後の普通の状態になるとしたら、冷温帯地域が暖温帯地域へと植生も変わっていくでしょうね。その転換期の中でバラを栽培しているということでしょうか。 12月から来年2月までは休眠期間となり外でのバラ遊びができませんので、育種の方へ目が向いていきます。 3種類の新花コンクールへの参加申込書を昨晩仕上げました。本日速達で郵送します。まだ余裕があると思っていたら、申込期限が迫っていました。あっぶない、あぶない! 私のような市民ローザリアンは、プロの方々の新花を下支えするだけの存在であることを強く感じるようになってきました。出品することだけで精いっぱいです。強力な香りを放ってかつ耐病性のあるバラ――この爺には無理です。そういうバラを種バラにしていないのですから、できるわけがありません。夢は夢でしかない…テンション爆サガリ。。。 さあ、今日はウナドンでも食うかーっ!!??