ばら遊び 2025.7月

アイキャッチ画像はピクシー(ロサオリエンティス・タイプS・フロリバンダ)のローズヒップです。ピクシーはダマスクにグリーンの混じった強香種で、わずか1本でカーポートが幸せな香りに包まれます。花はピンクの房咲きで重くない軽快な中輪です。今年は種子親(♀)として5花に交配し、5個とも順調に育っています。花粉親(♂)としても6花に授粉しましたが、4個は順調に育っています。2個は育ちませんでしたが、これは花粉親としてのピクシーの問題ではなく花粉を受けたトロイメライの問題の方が大きいと思います。そういう意味では、種子親としても花粉親としても種バラとしては、今のところ申し分ないと思っています。
2025.7.14
交配が終わりました 
5月末から始めた交配(人工授粉)が7月3日で終了しました。
耐病性があると評判の品種を迎えての初めての交配は、毎日が興奮の連続でした。顔(花形)と名前が一致しないため、その都度、資料を確認しながらの慎重な作業を続けました。
まずは青リンゴのようにおいしそうなローズヒップ(食べたことはありませんが)をご覧ください。
ローズシナクティフ
花ぼんぼり
ラ・リュー
全部で72花を交配しましたが、すでに22花でローズヒップの腐敗や花柄の枯れが発生し、残念ながら廃棄しています。交配して2週間もすればこのような成否の結果(印)が現れてきます。茶褐色の印が現れたら観察を続けても無駄です。茶色のシミは消えることはなく、果実の脱落(落果)かカビによる腐敗へと進行しますので早々に切り落とすことになります。
GDルイーズ 花托(種子ができる場所)が腐敗しています。
エレノール(正面) 花托が腐敗してきました。
エドゥアールマネ 花柄の基部が茶色になってきました。ここから落果します。
ロサオリの木村さんは著書の中で、実をつけないバラとしてトロイメライを書いておられます。そんな交配に向かないバラを私はその花容に圧倒されて、うっかり注文してしまいました。
本当にそうなのか確かめてみるべしと、種子親として6花に授粉を試みました。花粉親は先ほどのピクシーを2花に、おぼろ月と田毎の月を2花ずつに授粉しました。約2週間で6花とも交配失敗の印が出てしまいました。やはり、実はつきませんでした。
この事を人工知能(AI)に問うと、実をつけないバラにはこんなことが考えられるそうです。
① 雌しべ側の機能障害(乾いていて花粉が発芽できない、他)
② 胚珠や胚の発育不全
③ 遺伝的な不稔性(花の形や色に注目される一方で、繁殖能力が犠牲になった) などなど。
種子親では育種に参加できないことがわかりましたので、来年は花粉親として活躍してもらいます。
トロイメライ 黄色矢印の花托が赤色矢印の所から落果しました。
6花のうち、この1花だけが花托から腐敗が始まりました。これは落果しません。
花柄が茶色になり花托は黄ばんできました。これが交配失敗の印です。この後、落果します。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です